目次
開催案内
MACS共催 第26回大気科学コロキウム
日時
2025年8月7日 10:30スタート
開催場所
理学研究科1号館 理学部1号館 355号室 & オンライン
講演者
Meng-Tze Lee (Department of Atmospheric and Oceanic Sciences, McGill University)
タイトル
Continuous Ranked Probability Score (CRPS)- based ensemble down-selection for hourly precipitation forecasting with preserved ensemble spread and reduced computational cost.
オンライン参加登録
Zoom に登録：
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdd8jkG0fase293fWPiudI4lvGCpGc…
接続情報は回答後に表示されます。
主催
理学研究科 地球惑星科学専攻 大気科学コロキウム
理学研究科 MACS 教育プログラム
呉 品穎（世話人）
京都大学大学院理学研究科
附属サイエンス連携探索センター
Tel 075-753-3932
wu.pinying.5w＊kyoto-u.ac.jp（＊を@に変えてください）
活動報告
マギル大学のMeng-Tze Lee さんに「Continuous Ranked Probability Score (CRPS)- based ensemble down-selection for hourly precipitation forecasting with preserved ensemble spread and reduced computational cost（CRPS に基づくアンサンブルダウンセレクションと降水予報への応用）」という題目でご講演いただきました。
講演ではまず、アンサンブル予測の概要と課題が説明されました。アンサンブル予測は、初期条件の不確実性を反映して確率的な情報を提供できる有効な手法です。しかし、大規模アンサンブルには大きな計算資源と保存容量が必要なため、少数メンバーを選ぶ「ダウンセレクション」が求められます。従来の手法では予報精度のみに注目し、予報不確実性を示すアンサンブルスプレッドが小さくなりすぎる問題がありました。
Lee さんは、精度とスプレッドの両方を評価できるCRPS という指標を用いた新手法を紹介しました。北米の降水事例で検証した結果、ランダム選択より高精度で、特に6時間先までの短時間予報で効果が確認されました。さらに誤警報の減少や風の予報の改善も見られ、その汎用性が示されました。
まとめとして、CRPS に基づくダウンセレクションは計算コストを抑えつつ精度と不確実性の表現を両立でき、実用的な予報手法として期待できると結論づけられました。講演中も講演後も手法の適用範囲や今後の展望について活発に議論が行われました。
（文責：呉品穎）